入社してすぐ辞めたい、にどう対応するか
退職代行サービスがシェア拡大しており、退職の手段の一つになっています。
精神科外来では辞めたい、といわれた場合、すぐ辞めないよう勧めています。なぜでしょうか。
不調の時は悪い方ばかりに考えが向かいます。
この先いいことなどない、ここで働くイメージができない、なども調子が上がり時間も経てば会社の見方も変わることがあります。
回復しても考えが変わらなければ退職する。冷静になって状況を俯瞰して見ることが大事です。
新入社員の場合はどうでしょうか。うつではなくてもすぐ辞めない方がよいでしょう。なぜか。
社会人一年目は学生時代とのギャップを埋める事が重要です。
レポートは期限の容赦があるかもしれませんが、仕事は期限が決まってます。
ミスしたら怒られます。
複数の仕事が並行しており、スケジュール管理が必要です。
他にもありますが、これらは環境が変わっても課題は変わりません。
上司や内部の雰囲気など、職場環境が理由の場合でもすぐに辞めない方がよいです。
会社には休職制度があります。就職後すぐは利用できなくても、数日休んですぐ退職となることはほとんどありません。
環境変化への適応疲れを回復させてから、今の状況を俯瞰してみましょう。
会社としても時間かけて採用し、研修も準備して、辞めてしまうとまた一からやり直しになります。会社側もすぐ辞められることはデメリットしかありません。
次の仕事見つかったからすぐ転職を選んでも、転職先が自分の望む環境かどうかは分かりません。甘言に釣られているだけなのかもしれません。
では辞めたいときはどうするか。
身近な人に相談するのがよいです。社会人ギャップであれば先輩、人間関係なら同期、気持ちの整理なら身内など、相談相手を変えるのも手です。
職場の健康管理室でこのような相談があれば、すぐ辞めるのを留めつつ冷静になる機会を作れるように伝えています。
初手で退職代行に相談する人が増えているものの、社内で同じ相談しても親身になってくれる人が多いです。退職代行以外の手段も検討してみましょう。